住宅診断(インスペクション)とは、建物の現在の状態を、床、内壁、外壁、等各部位に分けて専門家が検査を行う事です。
検査をして、建物の状態を公開することで売り主、買い主、また取引業者三方の
トラブル等を事前に回避するという目的があります。
住宅診断(インスペクション)は「家の粗探し」ではなく、「現在の建物のコンディションを知る」、言うなれば「車検」のような立ち位置です。
→例えば見た感じはピカピカだから買ったのに、エンジンや足回りが古くボロボロで実際に走らない車を売られたら誰でも怒りますよね。。だから定期的に車検をしたり、事故履歴、メンテナンス状況が分かるような車が選ばれます。
建物は車よりも価格が大きいのに、現在車検のような義務もない中で日々取引がされているのは何故でしょうか?
こう考えると、内覧でパッと見たくらいでは判断できない、詳細の分からない建物を購入するのはかなりのチャレンジャーの方です。
インスペクションとは専門家による調査で、まずは車検のようにその建物のコンディションを知る(知らせる)ということが目的なのです。
Q,買主さんはいいけど、売主側からしたら、家の不具合を見つけられて、元の値段より安くなったりデメリットが多いんじゃないの?
A,後から建物の不具合が発見された方が、トラブルや、値引き交渉の理由とされたりデメリットが多くなります。
裁判事例でも、建物の状態を知らせなかったことで、売り主及び仲介業者の損害賠償、補修費用の請求などが認められた事例があります。
また近年「契約不適合責任」という法改正が行われ、売り主側で建物の状態を把握していないと、改正前に増してトラブルにつながることも多くなっているなど、より売り主側の責任が問われるという状況になっています。
なので、最低限、「建物の状態が、この状態だから、この価格で販売しています。」と事前に購入予定の方提示、説明ができていれば、検査の結果もしも不具合があったとしても事前に補修出来たり、その不具合を知らせておくことで少なくとも後で損害賠償請求されたり、補修費用を請求されたりというような大きなリスクは無くなります。
一つ、デメリットと言えば検査費用(40,000円程)、保険費用(建物面積による30,000円~)、補修費用(補修内容による約100,000円~)などの経費が掛かってくることです。
ただ、実際に起こった裁判例をご覧いただき、どちらが販売購入後や販売後に安心して幸せな生活ができるか、金額を比べてみてください。