【結論:一括査定段階で出る査定額は、実際に売れる額ではない。】
所有する物件の売却を考え始めた時に、何より最初に気になるのが「この物件、実際にいくらで売れるの?」
自宅や、所有する不動産の価格が知りたい!でもどこに連絡してよいか分からない・・・
そんなお客様のために大変便利なのが様々な会社が提供している「一括査定」サービス。
「不動産価格が大幅上昇!?今すぐご自宅の価格を無料査定!」
「不動産価格が購入時より1.5倍に!?」
不動産売却を考えられて、このコラムに行きついていらっしゃる方は、多くのSNSやCMで広告されているこんな文言を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
見たことがない、まだ利用したことがない方もこの「一括査定」という名前はどこかで聞いたことがあるのではないかと思います。
【一括査定の査定額とは、どんな額?】
無料で1社~最大10社ほど査定額を知る事が出来るこのシステム 、実はこの査定によって出る価格は、大半がデータ履歴上にある「相場価格」です。
では「相場価格」とは何か?これは、実際にその不動産エリアの近くで類似した不動産が、現在いくらで販売されているのか、もしくは過去に売却された実績はあるのかを基準に不動産業者が各社調査して出す、「このあたりなら今、大体このくらいで売れるだろう」という目安額となります。
なので各社で金額が違ったり、金額に幅があったりするのです。
例えば、一括査定で3社に査定を依頼して
A社:2000万円 B社:2200万円 C社:2300万円
という査定結果が出たら、あなたはどの会社を選びますか?
この中で、多くのお客様が「C社が一番高い査定だから、高く売ってくれるだろう。」と感じるはずですが、重要なのは「査定額の高さ」ではない、という事をまずは知ってください。
何故なら不動産会社各社はこの一括査定で、「査定を依頼したいお客様情報」を広告費用を払って集めているからです。
いわば、お客様が査定依頼するとそれなりの費用がかかるので、何とか一括査定の中で他社との競争に勝ち、自社に依頼が来るように営業する必要があるのです。
不動産会社各社は「高い金額の査定にお客様は反応しやすい」という事を知っていますので、全ての会社がそうではありませんが、「相場価格」の中でも一番高い査定額を提示するという会社が多いでしょう。
そんなお客様とは関係のない競争の中で、比べるべきは本当にここで提示された「査定価格」でしょうか?
【一括査定で知るべき事】
ズバリ、一括査定で売却を考える所有者の方が知っておくべき段階は、「近隣相場価格」の基準を持っておくということです。
現在、ネット上で相場価格はプロでなくても誰でも簡単にわかる世の中です。
ネット等で実際に調べて、ご自身で現在の市場相場を把握することで、自分の中での「基準(軸)」を持つことが出来ますと、一括査定を利用したり、不動産業者に査定を依頼した際に相場とかけ離れた査定額を出してきた会社には「どうしてこんなに相場より高いのか?」と疑問に思うはずです。
ただ単に、一括査定で出た「査定額の高さ」で比べるだけで大切な不動産の行く末を決めてしまうのはおススメは出来ません。
【その後の売却アドバイス】
当然ながら不動産売却は、相場価格・査定額を知って終わりではありません。
①まだ売らない、という方も現時点での相場価格と、3年後の相場価格は異なっているかもしれませんので、出来れば半年ごとに価格を調査しておくのが良いでしょう。
②実際にこれから中古住宅の売却に動きたいという方は、次は 面倒でも、家が片付いてなくても必ず訪問査定をしてもらう事からスタートです。
【訪問査定の必要性】
本気で高く売りたい場合は3社ほどの「訪問査定」で比較してください。
大体の相場はネットや一括査定で分かっても、中古住宅の場合「建物の状態」が価格に大きく関わってきます。
例え全く同じ築年数・同じ形、広さ、間取りの物件でも、リフォームしていたり、綺麗に大切に使っている建物と、手入れしておらず築年数以上に古く見える建物ではその「価値」は全く違うはずです。
販売する価格は「不動産会社が決定し提示されるもの」というイメージが強いかと思いますが、本来、「相場と訪問査定結果を基に信頼できる担当者と一緒に決めていく」ものです。
相場価格を知って、売ろう!となった時は、まず専門家に訪問してもらい、コミュニケーションを取ることで担当はどんな人柄か、信頼できる人なのかを知る事も訪問査定の大切な目的の一つです。
お客様自身も、この担当者が信頼し任せる事ができる担当者なのか、逆に「査定」してください。
今回は「査定額=実際に売れる価格?」という事で記載させていただきました。
次回以降も「不動産売却の悩みや質問にお答えしていくシリーズ」を予定しておりますので、是非ご覧ください(^^)/
まちのや株式会社