2023年02月10日

令和5年度相続税・贈与税 税制改正について

2022年12月16日に相続税・贈与税に関する税制の改正が公表されました。

主となる改正ポイントについて、簡単にご説明いたします。

1,暦年課税制度
受贈者(贈与を受ける側)が1年間に受ける財産のうち、110万円以下の部分は贈与税が「非課税」となる制度を指します。

ただし、この制度は贈与税は年間110万円分は非課税ですが、相続の開始(被相続人の死亡)前3年以内にこの制度を受けて贈与されていた財産は、贈与税の非課税となった金額も含めて全て「相続税」の課税対象になります。【3年持ち戻し】

今回の改正では、この【持ち戻し】の対象期間が3年➡7年へと延長されます。

この延びた期間分の「相続税」の負担が増えるということです。
事例を用いて解説いたします。


ケース①

令和7年12月31日相続開始➡令和4年12月31日以後の贈与財産が対象(直前3年間分※これまで通り)

ケース②

令和12年1月1日に相続開始➡令和6年1月1日以後の贈与財産が対象(直前6年間分)

①、②の事例では毎年同じ110万円の贈与を行っていたと仮定すると②は+3年分の相続税が上乗せになるということになります。
(※4~7年以内の贈与財産については4年で合計最大100万円は控除となります。)

贈与による節税を考える方にとっては、より早く計画的に贈与を行う必要があるということになります。
暦年課税制度の改正による今後の節税対策や注意点は? 
 
孫や子の配偶者など、通常法定相続人でない者が受けた生前贈与に関しては持ち戻しの範囲外

➡このポイントの改正は今回ございませんでしたので、こちらの方への生前贈与は効果的な節税対策となりそうです。

 ➡遺言により遺産の一部を取得したり、生命保険金を受け取った場合は持ち戻しの対象となることに注意!
 

 
今回は、贈与税の「暦年課税制度」 の改正とポイントについて解説いたしました。今回記載のものは一部であり、まだ重要な改正がいくつかございますので、今後しばらくこの改正についての解説して参りたいと思います。よろしくお願いいたします☆
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